Yoshiken Communications

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Study on Combination of Photograhic Films and Developers: Introduction

Introduction

フィルムカメラの楽しみ方は様々あるが、その一つにフィルム選びがある。フィルム選びは、楽しい一方で悩ましい側面もあるだろう。そんなフィルム選びの参考になるがわからないが、これから複数回に渡って、フィルムと現像液の組み合わせを少しであるが紹介したいと思う。

 フィルムカメラで撮影するとき、カラーフィルムかモノクロフィルムか、感度はどうするかなど、フィルム選びは楽しくもあり、時にはお財布との戦いにもなる。近年では日本カメラ誌(2017年11月号)にて「世界のモノクロフィルム一気撮り!!」などの企画を通して、様々なモノクロフィルムに出会える機会というものが増えている。しかしこの企画は同じ被写体を同じように撮影し、現像はD-76で行っている。またフィルムの作例も一部分しか掲載されておらず、この記事を読んでこのフィルムを使ってみたい!と思う人は少ないだろう・・・

 筆者が注力しているモノクロフィルムはカラーフィルムと異なり、自家現像によって使用する現像液との組み合わせにより、得られる絵が大きく変化することをが非常に興味深い。

 フィルムの発展とともに現像液も大きく進化してきた。現在手に入る現像液でも、最も古典的な「ロジナール」から、最も一般的であろう「D-76」、物理現像などの最新技術を利用したSpur社のものなど、用途や特性に応じて様々な現像液が発売されている。

 フィルムと現像液の組み合わせは無数に考えられるが、フィルムの持つポテンシャルを最も発揮するためには、純正現像液の使用が効果的であり、まず初めて使うフィルムならばこの組み合わせを使用する人が多いだろう。例えばACROSとミクロファイン、T-maxとT-max Developer、CMS 20とAdotechなどである。しかし、これらの組み合わせが目指す方向性は、ほぼ同じである。それは「解像度」「粒状性」「階調の豊富さ」である。現在デジタルカメラが「高画素」「高感度」「広ダイナミックレンジ」を目指しているのと同じである。そしてこれらの優位性はほぼデジタルに超されてしまったと言われている。

 一方で、フィルム写真の描写を好む愛好家も筆者を含めて存在する。求める描写は人によって異なるため言及するのは避けるが、各々が好みの描写を求めて、フィルムの種類、フォーマットサイズ、露光指数、現像液、現像方法、etc.などに日々思いを馳せている。

 先に述べたように、フィルム写真の絵を決定するパラメーターは撮影以外にもたくさんある。筆者が被写体と対峙するとき、どのような仕上がりを期待して、そのフィルムで撮影し、どの現像液で現像しているのか、そして得られたネガからなにを目指して引き伸ばしを行っているのか、作例とささやかな解説を以って感じていただければと思う。

 

P.S.

冬コミでまとめた本を出したいと思います。このフィルムと現像液の描写で気に入っている!というものがありましたら、作例ともに寄稿していただければと思います。フィルムフォーマットは問いませんが(幅広いほうが幅広いと思いますし)、8x10サイズに手焼きしたもののスキャンを乗せたいと考えています。そのフィルムと現像液のどこが好みか2,3文の解説とともに掲載します。どうぞよろしくお願い致します。