Yoshiken Communications

深夜テンションです。お目こぼしのほど

My Equipments

自己紹介ということで私の機材

 

Nikon

D800 F5 F3

Auto 20/3.5 PC-Nikkor 28/3.5 Ai50/1.4 AF50/1.4D AF85/1.8D AF28-80/3.5-5.6G AF70-300G

ZenzaBronica

Bronica S2 Nikkor-O 50/2.8 Nikkor-H.C. 75/2.8 Zenzanon 150/3.5(nonMC)

Sinar Norma

Nikkor-SW 75/4.5 Schneider-Kreuznach Synmar-S 210/5.6 Carl Zeiss Jena Tessar 30cmF4.5

Olympus OM-4 Ti Zuiko 50/1.4 28/2.8 180/2.8 300/4.5

Olympus 35DC

Sekonic L-558

LPLステンレスタンク

Durst M601

JOBO 2840

 

Study on Combination of Photograhic Films and Developers: About the Film's Character

現在でもまだ多くのモノクロフィルムが製造販売されているが、その特性に応じた分類というものはあまりされていないように思う。ここでは使用したことのないフィルムも含めて、その写りや乳剤タイプに着目して分類をしてみる。トーンについては一般的な現像液を使用したときのものを主観的に分類した。

 

立法粒子フィルム

 ナチュラルトーン系

           KODAK Tri-X

           lford FP4+ HP5+ XP2 PANf

            Rollei RPX 25 100 400

           ADOX Silvermax CHS100II

           Fomapan 100 400

          KENTMERE 100 400

          ORIENTAL New SEAGULL100 400

 ハイコントラスト系

       Rollei Retro 80S 400S Superpan200

                      Infrared 400S ortho25

          ADOX CMS20II  HR-50

平板粒子フィルム

            Fujifilm ACROS

   Fomapan 200

           KODAK Tmax100 400

   Ifford DELTA100 DELTA400 DELTA 3200

 

さてこれらのフィルムの写りについては作例を以って後述されていただくが、現像液との相性という点について少し紹介したい。

まず最初に分類した立法粒子のナチュラルトーンのフィルムだが、Tri-XやNeopan SSなど一般的に広く普及している(していた)フィルムのタイプである。これらはD-76やID-11など、亜硫酸ナトリウム等の粒子を少し溶かす成分が入っているいわゆる微粒子現像液で現像するのが推奨されており、そのためこの組み合わせを使用している人は多い。おそらくモノクロフィルムの写真のイメージとして1番定着しているものだろう。平板粒子に比べると粒子が荒いため、ライカ判で日常的に記録するには微粒子現像液が適しているのだろうと思う。

また立法粒子であるものは古典的現像液であるRodinalとも相性がよく、粒子の荒れはかなり感じるであろうが、その代わりに力強い絵が得られることが多い。筆者は中判フィルムでロジナールにて現像した絵が好みである。粒子の強い現像液で現像をすると粒状性や解像度が悪化するため、大伸ばしには耐え難いと危惧する方も多いだろう。しかしフォーマットサイズを大きくすれば相対的に粒子は小さくなるし、せいぜい11x14までしか引き伸ばさないという方も多いだろう。そうなると粒子が荒くても問題にはなりにくい。デジタルカメラはライカ判のセンサーが定着しつつあるが、フィルムの優位な点としてハーフ判から8x10までフォーマットサイズが幅広いことがあげられる。最後に展示する作品を考えながら、フォーマットサイズやフィルム、現像液などをチョイスしていく作業はフィルムの醍醐味であると思う。筆者もライカ判から4x5までのカメラを使用しているため、これらのバランスについて今後紹介していきたい。

次にハイコントラスト系のフィルムについてである。これらはもともとドキュメントフィルムなどに使用されていたものであり、解像度が高い分コントラストが高い。おそらく粒子のサイズが単分散なのだろう。そのためラチチュードが狭く良好なネガを得ることは少しむずかしいが、ロジナールなどで現像しても粒子は細かくそして硬い。そして露出が適正ならば、とても力強い描写が得られる。筆者は最近Superpan200をSpur社が開発した新しい現像液である「Rollei Supergrain」にて現像してみている。この現像液はいわゆる補正現像液である。詳細はSilversaltさんの記事を一読していただきたい 1)。この現像液を使ってみた感想としては、コントラストが高いフィルムにも関わらず、コマ間の濃度のばらつきが少なくなっており、また階調の広いネガが出来上がる。詳細は作例を以って紹介したい。ADOXのCMS20IIなども通常現像ではとてもコントラストが高いため、専用現像液での現像が推奨されている。このフィルムは解像度が800本/mmととても高く、その特性を期待してしようしている人が多い。

  このようなハイコントラスト系のフィルムはこれまで通常撮影には不向きであり、解像度が高いにも関わらず見向きもされてこなかった。しかしながらこれらのアーカイバルフィルムを通常のピクトリアルフォトのために現像することを可能したのがSpur社であり、現像液を開発することでフィルムのポテンシャルをより発揮できるようになったのである 2)。このことからフィルムと現像液の組み合わせがいかに重要なのかがわかる。しかし現像所でのフィルムの現像はほぼ規格化されてしまったため、アーカイバルフィルムの優れた特性が一般に普及することはなかった。しかし自家現像ならば現像液の選択は自由である。フィルムを愛するならば現像液も一緒に愛していくべきだ。

 最後に新時代の平板粒子フィルムである。従来の立法粒子をカラーフィルムに使用すると、粒状性が良くないとのことから開発され、現在でも主にカラーフィルムに使用されている。モノクロフィルムではACROSやT-maxなどの高性能フィルムに使用されている。平板粒子フィルムの最大の特徴は解像度であることから、主に専用現像液で処理することが多い。筆者はACROSを使用しているため、これについても作例を以って紹介したい。

 さてここまで、現在販売されているフィルムとその一般的な現像液の組み合わせについて紹介してきた。次の回では、様々な現像液について紹介したいと思う。

 

1)

www.silversalt.jp

2)

www.silversalt.jp

 

Study on Combination of Photograhic Films and Developers: Introduction

Introduction

フィルムカメラの楽しみ方は様々あるが、その一つにフィルム選びがある。フィルム選びは、楽しい一方で悩ましい側面もあるだろう。そんなフィルム選びの参考になるがわからないが、これから複数回に渡って、フィルムと現像液の組み合わせを少しであるが紹介したいと思う。

 フィルムカメラで撮影するとき、カラーフィルムかモノクロフィルムか、感度はどうするかなど、フィルム選びは楽しくもあり、時にはお財布との戦いにもなる。近年では日本カメラ誌(2017年11月号)にて「世界のモノクロフィルム一気撮り!!」などの企画を通して、様々なモノクロフィルムに出会える機会というものが増えている。しかしこの企画は同じ被写体を同じように撮影し、現像はD-76で行っている。またフィルムの作例も一部分しか掲載されておらず、この記事を読んでこのフィルムを使ってみたい!と思う人は少ないだろう・・・

 筆者が注力しているモノクロフィルムはカラーフィルムと異なり、自家現像によって使用する現像液との組み合わせにより、得られる絵が大きく変化することをが非常に興味深い。

 フィルムの発展とともに現像液も大きく進化してきた。現在手に入る現像液でも、最も古典的な「ロジナール」から、最も一般的であろう「D-76」、物理現像などの最新技術を利用したSpur社のものなど、用途や特性に応じて様々な現像液が発売されている。

 フィルムと現像液の組み合わせは無数に考えられるが、フィルムの持つポテンシャルを最も発揮するためには、純正現像液の使用が効果的であり、まず初めて使うフィルムならばこの組み合わせを使用する人が多いだろう。例えばACROSとミクロファイン、T-maxとT-max Developer、CMS 20とAdotechなどである。しかし、これらの組み合わせが目指す方向性は、ほぼ同じである。それは「解像度」「粒状性」「階調の豊富さ」である。現在デジタルカメラが「高画素」「高感度」「広ダイナミックレンジ」を目指しているのと同じである。そしてこれらの優位性はほぼデジタルに超されてしまったと言われている。

 一方で、フィルム写真の描写を好む愛好家も筆者を含めて存在する。求める描写は人によって異なるため言及するのは避けるが、各々が好みの描写を求めて、フィルムの種類、フォーマットサイズ、露光指数、現像液、現像方法、etc.などに日々思いを馳せている。

 先に述べたように、フィルム写真の絵を決定するパラメーターは撮影以外にもたくさんある。筆者が被写体と対峙するとき、どのような仕上がりを期待して、そのフィルムで撮影し、どの現像液で現像しているのか、そして得られたネガからなにを目指して引き伸ばしを行っているのか、作例とささやかな解説を以って感じていただければと思う。

 

P.S.

冬コミでまとめた本を出したいと思います。このフィルムと現像液の描写で気に入っている!というものがありましたら、作例ともに寄稿していただければと思います。フィルムフォーマットは問いませんが(幅広いほうが幅広いと思いますし)、8x10サイズに手焼きしたもののスキャンを乗せたいと考えています。そのフィルムと現像液のどこが好みか2,3文の解説とともに掲載します。どうぞよろしくお願い致します。

Durst M601を買いました!(第1章 出会い

お久しぶりです。ソーニャちゃんです!

今日は新しく引き伸ばし機を買ったので、その経緯やレビューをしたいと思います。

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フィルムで写真を撮ると、暗室で引き伸ばし作業をしなければいけませんが、その時に必要になる引き伸ばし機。今はもうフィルムで撮る人が減り、ヤフオクハードオフで投げ売りされています……悲しいです……

日本製のものにはフジ、Lucky(ラッキー)、LPLなどがあり、現在新品で手に入るのはLPLだけとなりました。海外では、ベセラーやハイランドなどが製造を続けています。

そんな状況ですが、今回手に入れた引き伸ばしは「Durst(ダースト)」というイタリアのメーカーのものです。Durstはライカ判や中判の引き伸ばしを得意とし、かつての憧れのメーカーの1つだったようです。国産のものには無い作りの良さ、お洒落なデザインが魅力的です。残念ながら引き伸ばし機の製造は終了したものの、現在はインクジェットプリンターなどを製造しています。

 

 さて、今まで私はLuckyの90Mという引き伸ばし機を使用しておりました。しかし、5月の半ばごろにアトリエ•シャテーニュさんでの暗室オフ会に参加し、幸か不幸かDurstに触れることとなりました。(写真は大判用のダースト。LABOLATOR1200とM805を使用しました。すごく良かったです・・・)

 

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そして私は知ってしまいました。今使っている引き伸ばし機では、快適な作業ができていないと・・・

道具を買う理由は大きく2つに分かれると考えます。1つは快適に作業を行いクオリティーを高めるため、もう1つは所有欲のためです。カメラを買う理由はだいたい後者なのですが(苦笑)。

デジカメの台頭により、フィルムや印画紙が高くなる一方で、フィルムカメラや引き伸ばし機はとても安くなっています。フィルムや印画紙を買うならば、やはり引き伸ばし機もそれなりのものを使用したほうが良いだろうと。そしてしばらくヤフオクやメルカリを探して・・・

(続きは次回

 

P.S.

アトリエシャテーニュさんはとてもきれいで使いやすく、設備の整ったレンタル暗室です。他のところよりは少し高いですが、それ以上の設備の良さがあります。暗室経験者はぜひ一度足を運ばれると良いと思います。http://atelier-chataigne.org/